滋賀県東近江市のスポーツターフ・造園・外構工事株式会社武藤造園

ブログ

芝生(スポーツターフ)の生育試験(1)に取り組んでいます。



武藤造園が取り組みを進めていますスポーツ事業部では、取り組み業種(競技場の芝生管理、都市公園の公園管理、野球場、グラウンドのクレイ土の整備等)全般を工事の実施からその後の維持管理のお仕事を賜っている中で今回取り組んでいます。
ブログの紹介は、滋賀県が2025年開催の国民スポーツ大会に向けての大会会場の中心となる彦根市の金亀公園の第1種、第3種競技場のインフイールド内のスポーツターフ(芝生)他の施工やその後の維持管理作業等を協力応援させて頂いています。競技場スポーツターフの施工や管理は30余年経験してきましたがそのほとんどが張芝工法、ネット芝工法、ポット苗工法等の施工でした。ターフの基盤となる土壌使用につきましては地元産の山砂などが主流でしたが、今回の施工する基盤土壌は砂(改良材など含む)の施工です。また使用する芝生については蒔き芝工法という実施で、従来の施工とは違った実施です。
最近ではこの工法が多くなってきているようです。今まで取り組んできました施工方法と異なり未経験の施工でしたが、経験してきた芝生育成取り組みの中で流用できる経験や技術を施工前に向け、予め会社で蒔き芝試験の実施をすることにしました。
先ず現場施工に先立ち同じ土壌と改良材や肥料、従来の張芝施工と今回の蒔き芝施工の2例を実施しましたので試験箱による芝生の生育状況などの報告をさせていただきます。


令和4年2月下旬に育苗器での張芝と蒔き芝の実施をしました。(この時期では芝生がまだ生育時期ではないので育苗器での実施です。)
張芝では芝厚さ1cmのベタ張りです。蒔き芝はティフトン芝をよく洗い長さ4~5cm位に切った芝生を蒔き植え付けました。水をしっかりやりその後の生育を観察しました。先ずは芝の活着確認とその後の生育管理の観察実施です。(使用する芝生の種類は夏芝で洋芝のティフトン419です)


試験実施後2~3週間経過の状況です。表面の芝生が少しずつ緑を帯びてきました。根の発育伸長は蒔き芝の根は少しずつですが伸びてきていますが、張芝のほうはよく観察できませんでした。
蒔き芝では早く根を出すことによって水分補給をして生育の助けになりますが、張芝では1cmの芝土が付いているため表面で水分を確保することから根の生育がそんなに進んでいないように考えられると感じました。生き物の生育力は凄い力と思います。少しでも早く根を伸ばして生き抜こうとする力に生き物の力を改めて感じました。



6月初めの生育状況です。両芝生とも芝生表面はよく成長して頭刈りを実施しました。表面の芝生密度は張芝植芝とも同じようによく成長してきています。
両芝生の根の生育状況確認をホールカッターで実施して、よく観察しますと根の伸長に大きな違いが出てきています。抜き取った芝生を水洗いして根の状況を見ました。根が沢山出ていないのと出ているのを比べましたが、張芝よりも蒔き芝のほうが細根、太い根ともよく出ていて、しかもよく伸長しているのが分かります。
初めての蒔き芝で張芝との違いを今までには実施しなかった試験の中から勉強しました。


現在の生育状況です。この時期は夏芝(ティフトン芝419)6月~8月にかけて一番生育の旺盛な時期になります。
ちょうどこの時期に現場での工事乗り込みとなります。芝生の生育試験などを踏まえてぜひとも立派な芝生提供を実施していきたいと意気込んでいるところです。
工事実施と後の維持管理取り組みに於いては、国民スポーツ大会の成功と、今後利用される沢山の皆様方に、最良のコンデションを提供するために様々な管理手法を取り入れて、新たな挑戦を進めていきたいと思います。
私は、スポーツターフとの長い付き合いの中から、(芝生)管理に関しては「芝生は生き物、いつも確かめないと」をモットーにし、新鮮で新しい挑戦をしていきたいと考えています。
どうか我が社の次を担う社員と一緒により一層芝生管理を通して芝生の事なら「武藤造園」やと、ご用命頂けるように頑張ってまいりますので、今後ともよろしくご指導ご鞭撻をお願い申し上げます。